過活動膀胱
第1部 尿漏れを改善する骨盤底筋エクササイズ(尿漏れの原因は骨盤底筋のゆるみ/尿漏れのタイプと症状の自己チェック/代謝機能も高める複式呼吸を身につける/骨盤底筋にしなやかな強さを取り戻す簡単体操/「いつでも」「どこでも」ながらエクササイズ/骨盤底筋エクササイズのおさらい)/第2部 骨盤底筋に負担をかけない腹筋と配筋をつける(腰に負担をかけないで腹筋をつける/身体の前後のバランス。背筋をつける)/第3部 尿漏れの予防・改善と「正しく歩く」ということ(若い世代の尿漏れと下半身の弱体化/足は第二の心臓。足のしくみと役割 ほか)/第4部 尿漏れの予防・改善と足裏反射療法(血行と神経の働きを活発にする足裏反射療法の目的/尿漏れに関する反射区と正しい揉み方 ほか)/足裏反射療法と尿漏れ症例報告(仕事のストレスと肥満で尿漏れに悩んでいた32歳独身OL/二人目の子供を産んでから尿漏れが起きるようになった冷えと便秘で悩んでいた41歳主婦 ほか)
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トイレに行く回数が多い(頻尿)がまんできないほどの強い尿意を感じる(尿意切迫感)、ひどくなるとトイレに着く前にもれてしまったり、トイレには間に合ったもののドアを閉めたとたんもれてしまう(切迫性尿失禁)という症状が、過活動膀胱の特徴です。耳慣れない言葉ですが、ごく最近、国際的に認められた新しい病名です。
アメリカでは成人人口の約2割近くが、この過活動膀胱であるという調査結果もあり、日本でも、40歳以上の12・4%にあたる800万人以上が過活動膀胱の症状を持っています。
過活動膀胱には、次のような特徴があります。
がまんできないほどの強い尿意を感じる
トイレに行く途中でもれてしまうことがある
下着を下ろすのが間に合わずもれてしまうことがある
冷たい水に触ったり、水の流れる音を聞くと強い尿意を感じる
トイレに行く回数が多い
夜間も2回はトイレに行く
ふつう、健康な人が排尿する回数は1日に3〜8回ですが、過活動膀胱の人はわずかな尿がたまっただけで膀胱が尿を押し出そうとするため排尿回数が増えます。昼に9回以上、夜に2〜4回はトイレに行きたくなります。
過活動膀胱の原因
過活動膀胱は、膀胱と脳がうまく連動しなくなるために起こる症状と考えられています。
尿は本来、脳が排尿しても良いと指令を出したところで排泄されるものですが、過活動膀胱になると、勝手に膀胱が収縮してしまうのです。
膀胱の筋肉である排尿筋が勝手に収縮する段階では尿意切迫感・頻尿などの症状がみられ、尿道から尿が出てくる状態になると、切迫性尿失禁と診断されます。
切迫性尿失禁は、トイレに行きたいと思ったとたんもれるなど、強い尿意に急におそわれ失禁してしまうタイプの尿もれをいいます。
過活動膀胱のおもな原因は、腹圧性尿失禁と同様、骨盤底筋肉のゆるみやたるみで、加齢も一因です。
とくに更年期を過ぎると、女性ホルモンの不足により膀胱の過敏性が増し、膀胱が異常収縮して尿がもれてしまうことがみられるようになります。
過活動膀胱になりやすいタイプをあげてみましょう。
肥満の人
便秘の人
ストレスを感じやすい人
水分摂取がうまくない人、
など 肥満や便秘が骨盤底筋に負担をかけることは、前の腹圧性尿失禁で説明したとおりです。
また、緊張すると、やたらとトイレに行きたくなることがあるように、ストレスを感じやすい人も過活動膀胱になりがちです。
水分摂取も、とりすぎればもちろん頻尿になりますが、少なすぎるのもいけません。
よく、トイレが近くなるからと水分を控える人がいますが、脱水により体調を崩すこともあり、1日1〜1.5リットルの水分を均等にとることが必要です。
原因が多種多様な過活動膀胱への対処は、正確に排尿の状態を知ることから始まります。
排尿の様子を記録する排尿日誌も役に立ちます。
最近、泌尿器科では尿失禁があってもなくても、強い尿意切迫感と頻尿が合併する病態を過活動膀胱と呼び、尿もれ症状がみられなくても、積極的に治療するようになりました。
これは頻尿、尿意切迫感に悩む人が非常に多く、そのような人たちの、生活に支障をきたすという訴えに応え、尿失禁が起こる前から早めに治療しようという世界的な動きがあるからです。
前述の症状に思い当たる人は、まずは受診してみましょう。
過活動膀胱の症状は膀胱の機能異常によって引き起こされ、尿道をしめる力が弱い腹圧性尿失禁とは区別されます。
ただし、40代以上の女性になると、腹庄性尿失禁と過活動膀胱の混合タイプも多くみられます。
腹庄性尿失禁が重症化すると尿道に尿が常時入り込むようになり、その結果、膀胱の異常収縮が引き起こされてしまうのです。
混合性尿失禁の人が、腹圧性尿失禁の手術をすると、約50%の人は切迫性尿失禁など過活動膀胱の症状も改善することがわかっています。
水分摂取の適量は?
排尿機能を正常に戻すには、適量の水分が必要です。
冬場は1日1リットル、夏場は1日1.5リットルの水分をとるよう心かけましょう。
尿がもれるからといって、極度に水分を制限するのは体に悪いのはもちろんのこと、少ない量で排尿するようになり・治療の妨げにもなります。
トイレは早めに行くべき?
尿もれか気になって、尿が少したまったたけでトイレに行くと、尿意を感じやすくなって、より頻尿が進んでしまいます。
外出時で、尿もれが起こるととても困るような場合はしかたありませんが、正常な排尿サイクルに戻すためには、あまり早めに行きすぎないほうかいいでしょう。
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